マティス 自由なフォルム

20世紀最大の巨匠の一人アンリ・マティス(1869-1954)。自然を再現する役割から色彩を解放した大胆な表現が特徴のフォーヴィスムの中心人物としてパリで頭角を現します。後半生の大半を過ごすこととなるニースではアトリエで様々なモデルやオブジェを精力的に描く一方で、マティスは色が塗られた紙をハサミで切り取り、それを紙に貼り付ける技法「切り紙絵」に取り組みます。

本展はフランスのニース市マティス美術館の所蔵作品を中心に、切り紙絵に焦点を当てながら、絵画、彫刻、版画、テキスタイル等の作品や資料を紹介するものです。切り紙絵が日本でまとめて展示されることはきわめて稀で、マティスの記念碑的な表現方法に触れる貴重な機会となるでしょう。なかでも同館が所蔵する切り紙絵の大作《花と果実》は本展のためにフランスでの修復を経て日本初公開される必見の作品です。

本展ではさらに、マティスが最晩年にその建設に取り組んだ、芸術家人生の集大成ともいえるヴァンスのロザリオ礼拝堂にも着目し、建築から室内装飾、祭服に至るまで、マティスの至高の芸術を紹介いたします。

本展のみどころ

巨匠マティスの愛した手法、
「切り紙絵」を本格的に紹介

マティスが晩年、精力的に取り組んだ切り紙絵に焦点を当てた展覧会は日本初。マティスが長い芸術家人生で最後に到達した記念碑的な表現に迫ります。

アンリ・マティス

アンリ・マティス(1869-1954)
Henri Matisse
© Archivio Storico della Biennale di Venezia – ASAC
photo by Interfoto

アンリ・マティス 《クレオールの踊り子 》

アンリ・マティス 《クレオールの踊り子 》 1950 年
切り紙絵  205 × 120 cm ニース市マティス美術館蔵
© Succession H. Matisse Photo: François Fernandez

マティスがその60年以上におよぶ創造の歩みにおいて、熟慮と試行を重ねた末に到達したのは、助手に色を塗ってもらった紙をハサミで切り抜き、それらを組み合わせて活き活きとした構図に仕立てあげる「切り紙絵」でした。色紙をハサミで切り取ることで色彩表現とデッサンを同時に行うことができたのです。筆とカンヴァスの代わりにこの“ハサミでデッサンする”手法で、自由自在に色とかたちを生み出し、そのキャリアの絶頂期を迎えたのです。

4×8メートル! 
大作《 花と果実 》を日本初公開

ニース市マティス美術館のメインホールで来場者を迎える切り紙絵の大作《花と果実》。
本展のために修復を経て、初来日します。

アンリ・マティス 《 花と果実 》

アンリ・マティス 《 花と果実 》 1952-1953 年
切り紙絵 410 × 870 cm ニース市マティス美術館蔵
© Succession H. Matisse Photo: François Fernandez

マティスの切り紙絵の作品の中でも最も巨大な部類に入るこの作品は、5枚のカンヴァスが繋がって構成されています。壁面の一面を覆う広大な画面はあたかもタピスリーのようで、鮮やかな色彩によって装飾的豊かさが加わっています。本展の出品にあたり2021年に大規模な修復が行われました。

本展の出品にあたり2021年に大規模な修復が行われました1
本展の出品にあたり2021年に大規模な修復が行われました2

photo credit © Ville de Nice

マティス芸術の集大成、
ヴァンスの礼拝堂を体感

本展では展示室内にヴァンスの礼拝堂を体感できる空間を再現

Photo: François Fernandez

ニース郊外のヴァンスに建つロザリオ礼拝堂は、最晩年のマティスが切り紙絵を応用し、建築の室内装飾や司祭服をデザインした、マティス芸術の集大成です。 本展では展示室内にこの礼拝堂を体感できる空間を再現します。

開催概要

  • 展覧会名
    マティス 自由なフォルム
  • 会期
    2024年2月14日(水)~5月27日(月)
    毎週火曜休館 ※ただし4月30日(火)は開館
  • 開館時間
    10:00~18:00
    ※毎週金・土曜日は20:00まで
    ※入場は閉館の30分前まで
  • 主催
    国立新美術館、ニース市マティス美術館、読売新聞社
  • 後援
    在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ
    在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ
  • 会場
    国立新美術館 企画展示室 2E
    〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2
  • アクセス

    東京メトロ千代田線乃木坂駅
    青山霊園方面改札6出口(美術館直結)
    東京メトロ日比谷線六本木駅4a出口から徒歩約5分
    都営地下鉄大江戸線六本木駅7出口から徒歩約4分

    アクセスマップ
  • お問い合わせ
    050-5541-8600(ハローダイヤル)
報道関係の方からのお問い合わせ先
「マティス 自由なフォルム」広報事務局
Tel:03-6821-8261 FAX:03-6821-8869
E-mail:matisse2024@ypcpr.com